贅を尽くした明治の豪邸
- 2019/8/23
- 観光
- 8 comments
岡部記念館「金鈴荘」
真岡市に、明治中期に、10年以上の歳月をかけて建築された豪邸があります。
名前を「岡部記念館『金鈴荘』」と言います。
岡部呉服店2代目岡部久四郎氏が建てました。
回遊式の日本庭園を備え、周囲に、現在は生産されていない貴重な地元の磯山石を使用した石塀をめぐらしています。
外部は、徹底した防火のための土蔵造りとなっています。
黒檀、紫檀、鉄刀木
内部で、特に目を見張るのは、床の間の木材です。すべて、黒檀、紫檀、鉄刀木(たがやさん)の唐木が使われています。
襖は金箔を5層施し、枠は紫檀、黒檀、鉄刀木を使用しています。
丸太の梁
さらに、20メートルほどの廊下には、一本の丸太の梁が使われています。
こうした材料を集めるために長年かけました。
さらに、大工、指物師は、栃木県から東京に2年間修行に出たのです。
金鈴荘は、建築してから昭和27年まで岡部家の別荘として、関係者の接待や呉服の展示会場として使われました。
その後、昭和63年まで、割烹料理店「金鈴荘」として利用されていました。それ以降、真岡市が借り受け、文化財として保存することになりました。平成13年に岡部呉服店から真岡市に寄付されました。
岡部家は、学問好きの家系で、先進的な考え方をもち、広く慈善事業を行ったほか、公共施設の建設に際し、多額の寄付をするなど真岡市の発展に大きく貢献しました。
日本画の宝庫
内部にある書画骨董類は、この地方にゆかりの深い作家のものが多く、矢橋天籟(やばしてんらい・真岡市出身)、高久靄厓(たかくあいがい・黒磯出身)の掛け軸、額、佐竹永陵(さたけえいりょう・東京出身)の襖絵山水画、宇都宮藩家老の県六石(あがたりくせき)、同じく藤田素堂(ふじたそどう)の天袋・地袋絵や金屏風等、文化財として価値あるものが多くあります。
或る女
有島武郎の小説のモデルとなった佐々城信子さんが、この金鈴荘に、ひっそりと住んでいました。
岡部記念館「金鈴荘」
真岡市荒町2096番地1
開館時間 10:00〜16:00
入館料 無料
休館日 火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日) 年末年始(12月29日〜1月3日)
併設の無料駐車場があります。
武家屋敷
真岡市から車で30分ほどの市貝町に、国指定重要文化財の武家屋敷「入野家住宅」があります。
入野家は、もと武士の出で、江戸時代初期から代々名主を努めた家柄と伝えられています。
所蔵文書から、1836年から1841年の5年を費やし、飢饉にあたって、村民救済事業として建設されたことが明らかになっています。
囲炉裏
江戸時代の囲炉裏がそのまま残されています。
ゆったりした時間が流れているように感じます。
表門
武家屋敷の表門には、両側に敵を見張る潜戸付の扉口があります。
茅葺き屋根の美しさに日本の美を見ることができます。
市貝町大字赤羽2877番地
問い合わせ 市貝町教育委員会生涯学習課文化担当
0285−68−0020
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。